ホスピタル・トピックス ハウスキーピング
問題の多い病院ハウスキーピングの現状
寺本 千枝
1
1国立病院医療センター
pp.40
発行日 1976年3月1日
Published Date 1976/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205846
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病院環境の重要性は,今までにもよく云々されてはいたが,その割には配慮が少なく,むくわれてない.その地味な裏方の業務が,病院ハウスキーピングである.社会の成長テンポとともに,病院の近代化も急速に進み,建物,諸設備は高度のものがつぎつぎに装備され,病院機能の専門分化はますます多くの職能群を生み,表面的には見違えるほど立派になって来た.しかし,それに比してハウスキーピングの面は,アンバランスである.マンネリ化した人手不足,老齢化もさることながら,新しい建物の管理には,より専門的知識と技術が必要になり,作業も難しくなってバイタリティーある年齢の人が要求されてきている.また好むと好まざるとにかかわらず,管理上専門業者の導入を余儀なくされているが,職員組合,予算面の厳しさもあって,満足すべき導入は行われておらず,それだけにいろいろな問題を含んでいる.
塵芥の処理については,集積方法,焼却にしても一般社会同様の問題を提起しており,病院なるが故に,より厳しい批判も受けるし,また,その覚悟で対処しなければならない.衣料の面でも次々に開発される新しい化学繊維が,寝具類,リネン,被服,医療資材にまで浸透し,品質管理の面にも運用面にも難しさを加えている.
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