病院建築・55
徳島県立中央病院の設計
土肥 耕一
1
1東畑建築事務所
pp.83-88
発行日 1973年8月1日
Published Date 1973/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205085
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はじめに
最近では医療技術の進歩,医療形態の変化により,病院建築は10年たてば何らかの増改築の必要に迫られるようである.その場合,医療機関として地域との密着度,利用圏の変化による経営への影響,土地取得の難易,都市公害,駐車場問題などと事業予算とのからみあいの上で,移転新築か現在地での改築かのいずれをとるかが大きなポイントである.ここに述べる徳島県立中央病院ほその後者の例である.
徳島市の西北,眉山を南に間近かくひかえた旧陸軍練兵場跡に,徳島大学医学部と隣合う当病院は,増改築を重ねて図1に見られるように,敷地内所狭しとパビリオン状に広がっていた.その上建物のほとんどが木造の平家か2階建ですでに老朽化し,機能上も環境上も劣悪な状態であったし,敷地の拡張ということもその立地条件から不可能であった.
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