病院めぐり
徳島県立海部病院外科
大田 憲一
1
1徳島県立海部病院外科
pp.658
発行日 2008年5月20日
Published Date 2008/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102127
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当院の診療圏は徳島県海部郡の3町および高知県東洋町にまたがる地域である.人口は約2万5千人で,救急患者の大半が当院へ搬送されてくる.病床数は110床で,常勤医は内科4,外科3,整形外科2,脳外科1の計10名である.耳鼻科,産婦人科,小児科,泌尿器科,皮膚科はパートで診療を行っている.最近,徳島大学に地域医療研究センターが発足し,その実践施設として内科医1名が配属された.これは久々の朗報であった.
最近は常勤医の確保が一層厳しくなっている.2004年に開始された初期臨床研修制度の影響がストレートにわれわれ僻地・地方の小規模病院を直撃したからである.県内で一番大きな影響を受けたのが当院であった.「さあ報道の機会到来!」と,ここ1~2年はマスコミ各社が大挙して来院し,取材合戦となった.「海部病院から医師が大量退職」,「危ぶまれる救急医療の存続」とセンセーショナルにたびたび報じられた.現に当院は「勤務医の地域偏在」のダメージをダイレクトに受けた代表的な病院である.2005年には17から11と6名減となり,とりわけ内科医は一気に4名減の2名となった.それも中堅の一斉退職であった.
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