特集 病院に残る古きもの
病院の残る古きもの・私もひとこと
人の存在価値
臼田 美智子
1
1慶応病院
pp.37
発行日 1970年12月1日
Published Date 1970/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204180
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病気になり,病院という組織のなかに足を一歩踏み入れたとたん‘患者’という肩書きがつけられる.このことばはたいへん便利で民主主義的であるが,反面非人間的感じをいだかせることにもなっている.この肩書きは同情的扱いを受けるが,時には重い鎖をつけているがごとく感じさせるものでもある.
そこで患者とは何かということを,全医療従事者はもう一度考えてみる必要があるのではないか.このことが,ひいては患者の医療の受け方への意識を喚起することにもなり,その1つひとつの行動の積み重ねが'医療体制の充実化への足がかりにもなっていくのではないかと思う.
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