座談会
「宣告」から何を学ぶか—死を生きぬく人たちの存在
橋本 きみ
1
,
小松 玲子
2
,
福井 千鶴子
3
,
大津 和子
4
1東京都立世田谷リハビリテーションセンター
2国立がんセンター
3聖母病院
4神奈川県立こども医療センター
pp.130-140
発行日 1980年2月1日
Published Date 1980/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918878
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「宣告」あらすじ
T大という有名大学を卒業した主人公・楠本他家雄は幼くして父を亡くし,母1人の手で育てられた.兄の1人は成長するにつれ母を暴行,虐待するようになる.それはますますひどくなり家庭は事実上崩壊した.そんな家庭で育った楠本は大学卒業後,法律事務所に勤めたが,金を使い込む生活を始め,ついに人を殺し,金を奪ってしまった.
残酷な計画的な殺し方の故にか死刑の判決を受け,執行までの間刑務所に入っていたが,その間神父の導きでカトリック信者になる.確実な死の足音を聞きながら,楠本の心は揺れに揺れ,ついには,死をあたかも自らの生の一部であるかのように平安に受け入れ,歩んでいった。
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