特集 病院給食管理
病院給食の労務管理—2.国立病院の場合
飛田 兵三
1
1国立療養所村松晴嵐荘
pp.50-54
発行日 1968年2月1日
Published Date 1968/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203288
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理論的なことは諸先生方が述べられているので,私は病院管理の一員として,また病院給食を直接所管する事務長の立場として,その体験した過去の実施例をご参考までに紹介する。その前に病院管理者および給食関係職員の方々にも,もう一度病院経営の中で占める病院給食の役割について見直してもらいたいと思う。昔は病院給食といってもほとんどが大衆料理か,軍隊式炊事が多く,中でもひどい病院になると,病院から出した患者食事を附添婦が食べ,患者の食事は附添婦が調理した時代もあった。国立病院,療養所では,昭和28年頃から附添制度を廃止し,このような状態は全然なくなり,栄養改善法によって,集団給食施設に栄養士が配置されるようになってから完全給食制度が始められ,現在は生活を維持するだけの給食に止まらず,食餌療法にまで向上したのが実態である。このように病院給食が治療の一環をなす療法的なものであるならば,医師が良薬を選んで投薬をするように,給食職員もまた医学の進歩に平行して治療効果を増すような給食にまで改善することが必要である。
国立といえどもこの目的にはほど遠い職場もまだまだ見受けられる。要するに「栄養改善以前の未解決問題」がまだまだ山積しているというのが現状であろう。しかし反面治療食の改善から,患者が楽しめる病院給食にまで高度成長をしている施設も数多くあることも事実である。
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