院内管理のレベル・アップ 労務
労務管理の考え方・1
病院における労務管理の焦点
東 義晴
1
1武蔵野赤十字病院,事務部
pp.50-51
発行日 1977年5月1日
Published Date 1977/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206227
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病院における労務管理の焦点についてであるが,先ず第一にはっきりさせておかなければならないことは,労務管理は労働組合対策ではない,ということである.労務管理なる言葉はわが国独特のものであって,戦前は,現場作業者の集団的管理の場合に使用され,事務や技術関係職員に対しては人事管理という用語が用いられていた.戦後になると,いわゆる民主化の波と共に,何となく,ブルーカラー,ホワイトカラーの差別的な印象があることと,さらには企業自体の近代的発展と共に,次第に現場,事務,技術の別なく一本化して協同的に組織目標に進むことが要求されるようになり,ここに一元的な,従業員全般に対する管理を労務管理と呼ぶようになったのである.
したがって,労務管理は,組織を動かしていく場合の経営管理,すなわち財務管理,業務管理と並ぶ3本柱の一つであって,そこには労働組合も非組合員もないのである.そしてそれは,窮極的に,職員全般のモラルを向上して経営目標を推進せしめるための施策ということができる.
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