ホスピタル・トピックス 給食
病院給食部門の「課」制への動き
飛田 兵三
1
1国立千葉病院事務部
pp.91
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205836
- 有料閲覧
- 文献概要
従来,事務系の一係であった病院給食も,民間ではすでに病院長直属の栄養課として独立した施設もあり,中には診療部門に所属した栄養科に独立して立派に病院給食の目的を発揮している病院もあるが,国立病院の場合は開設以来事務系に所属し,事務長または庶務課長のもとに一係として扱われ,職場の責任者も事務屋の班長であるのが現状である.近年になってようやく,栄養士が班長のポストにつく施設が多くなって来たことと,成人病患者の増加にともない,一般食の他に腎臓食,糖尿病食,高血圧食等が治療食として給食されるようになり,今迄たてまえに過ぎなかった病院給食が名実共に「治療の一環」として重視されてきた.それをうけて栄養士会と管理職の事務長会で給食部門の「課」制の新設を要請する動きがまとまり,すでに人事院に対し陳情するなど組織の確立を要望する声が高まってきている.
従来はとかく医療は医薬品にのみ頼ることが多く,栄養学軽視の傾向にあったことは医療に従事する者として深く反省しなければならないであろう.特に直接医療に責任を持つ医師や看護婦も患者給食の重要性を再認識してもらい,投薬や注射の指示同様,食事箋にもぜひ関心をもってほしい.そして将来に向かって栄養課の新設になお一層のご尽力を願うものである.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.