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新しい癌研究会附属病院
梶谷 鐶
1
,
山下 久雄
2
,
増淵 一正
3
,
宮嶋 碩次
4
1癌研究会附属病院外科
2癌研究会附属病院放射線科
3癌研究会附属病院婦人科
4癌研究会附属病院第1内科
pp.53-59
発行日 1963年9月1日
Published Date 1963/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202198
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緒言
明治41年4月創立されたわが癌研究会は,昭和8年故長与又郎会頭により財団法人に改められ,昭和9年5月現在の土地に癌研究所および附属病院を開設し,三井報恩会よりラジウムの寄贈を受け,わが国唯一の癌の研究および診療機関として飛躍的発展を遂げてまいったのである。ところが,不幸戦災にあい,その施設のほとんど全部を失なった。その後東銀座に,或は西巣鴨に遂次施設を復興してまいったとはいえ,近代病院に比べて遜色甚だしく狭い汚い病院として有名となり,ついには癌研に課せられた使命の遂行に支障を来たす段階に立ち至り,われわれ診療にたずさわるものとして新病院の速やかな建設を渇望して止まなかったのであるが,幸い癌研後援会の方々の並々ならぬ御尽力によって昭和36年12月新病院の建設に着手,昭和38年7月その竣工をみるに至った。従って開院後日なお浅く,われわれの意図した建物およびその施設を充分使いこなして結論を下しうる段階に達していない。ここでは設計図に基づいて新しい病院の構造と機能の概略を述べ,皆様の御批判を抑ぐ次第である。
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