ルポルタージュ
癌研究会附属病院を訪ねて
鹿島 健作
pp.34-36
発行日 1953年12月15日
Published Date 1953/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909474
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廊下に溢れる人
午前9時の銀座は,夜のおしやれな銀座とは全く別ものみたいな,紙屑だらけの汚い顏をさらけ出して,朝寢の真最中,通る人影もまばらというのに,2丁目から東へまつすぐ昭和通りを横切つて,川岸つぷちの三吉橋の袂まで来てみると,くすんだちつぽけな建物の周りだけ,人影が夥だしい。
玄関の上に光つている,“癌研究会附属病院”の文字をたしかめて,石段をのぼりながら,内心で驚いいた。
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