特集 病歴管理
看護記録の実際に当たって
増永 道子
1
1国立大阪病院整形外科
pp.277-285
発行日 1962年4月1日
Published Date 1962/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201907
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1 まえがき
私たちが患者の看護を行なったり,医師の介助を行なうためには,正しい看護と正確な処置が行なわれ,細かい観察のもとに結果報告が綿密にされなければならない。よい治療と正しい診断の資料は十分納得のゆけるよう,いつでも記録として準備されていることが大切であろう。ここに完全な記録の重要性を感じる。しかし,多くの時間を記録にのみ費したのでは看護能率の効果もあがらず,なかなか両立は困難である。ここ数年,看護記録の充実と簡素化について種種考慮されているが,私たちの記録にあたり,反省の意味を含めて看護記録のごく一部を記してみたいと思う。看護の基礎を管理,倫理を中心に,まづずたちの病院では4年前より看護基準の作製(基礎看護を基準とした申し合わせ看護内容)に当たり,勤務員の臨床の実際および指導の面に努力した。その間,仕事内容の改正されたものもあり,看護基準委員会を設けて遂次改良された。次いで,看護基準にそって看護手引が2年前に改善され,165頁の図入で説明を加えた看護手引の1冊を完成した。病院全般の統一した手順が行なわれ,各科同一方法で医師介助が行なわれて,看護内容には多くの効果を認めた。次いで,患者個人の看護日誌その他メモ式記録に至るまで数多くあげられるが,いまだこれらの記録の数数にも毎日を満足し得ないままにも,何回か検討を重ねて現在に至っている。
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