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Dr. Hara's Recordtape
原 素行
pp.47-48
発行日 1954年3月1日
Published Date 1954/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200786
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(6)小児看護の問題
「この頃日本の病院では小児患者の入院に際して母親等の附添うことを拒んでいるが,それは占領当時アメリカから強制的に教え込まれたことだ。この頃アメリカでは患児に母親が附添つている。占領軍の衛生当局者の頭は既に旧式であつた。」と云うことを聞くことがある。そして「日本で嘗つて患児が母親附添の下に入院していたのは正しかつた。」と結論を出す人もある。
子供は母親なしでは育たないという事は間違いのないことである。この原則を根拠として「この頃,アメリカでは…」と云つて母親の附添つた時代を礼讃する声も時時耳に入つて来る。この理論のうちに,日本の看護婦には小児看護が出来ないから母親に看護させた方がいいと云う事が含まれているのなら話はわかり易いと思うが。
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