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Dr. Moriya's Recordtape
pp.48-49
発行日 1952年11月1日
Published Date 1952/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200562
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5.學用患者と研究小切手
先日も大學病院研究會の席上で,大學病院の患者一名當りの經費が高いと云う事から,それは研究用の治療が入つているのだろうとか,いや大學ならそれ位の診療は料金はとれなくても良心的はやらねばならぬだろうと議諭した事があつた。
今の醫療體系ではたとえ大學でも診療行爲に對しては收入があるのが原則である。しかし,現在健保で認めない大量ペニシリン療法等は患者に支拂能力がなくても行いたい。又,特に大量の調査をする爲にX線をうつすとか,血液檢査をやる時は,料金を取る事が出來ぬ。又學生の教材用に種々の患者を用意するにはどうしても學用患者として無料にする必要もあろう。この樣な場合,從來の樣にただ單に料金を取らぬと云うだけでは色々と不都合がおきて來る。これからの病院の經理の合理化では常に仕事高即ち收入と經費特に材料を見合にしなければならぬが,この時材料だけ消費して收入がないと,尻が合わぬ事になる。もつとも尻が合わぬ事を理由に不合理性をカンフラーヂする手もあるが。
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