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編集後記
編者
pp.46
発行日 1951年11月1日
Published Date 1951/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200406
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講和後の我が國行政機構の建直しという意味で,目下行政機構改革及び行政整理が日々の話題の一つとなつている。厚生省がどうなるか,という問題も吾々の病院人の關心事の一つであるが,更に身近な問題として吾々との注目をひいている問題に國立病院の地方移管がある。これは,多年の懸案という意味丈ではなく,かなり根の深い問題だけに醫界就中病院界に於ては,獨り國立病院のみの問題ではなくその影響する所は頗る大きいと云わなければならない。云う迄もなく,この問題については長年眞劍な検討が重ねられた末斯かる結論が導かれた譯であるが,それは我が國の醫療機關に或體系を具備し,より圓滑な運營を行わしめることにより,ひいては一般國民大衆の爲の病院としてよりよい醫療を普及せしめようとの意圖から出ていることに他ならぬであろう。併し,夫々の觀點からは又自ら別の意見が出ることは當然であろうし,更に個々の場合について見れば一層問題が複雑になるであろうことは想像に難くない。要は,經營主體を國から地方に變えることに依つて,一般大衆の醫療により多くのプラスを齎すということであらねばならない。
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