特集 超高齢社会の終末期ケア
巻頭言
池上 直己
1
1慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室
pp.101
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102045
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終末期ケアの場を,病院より在宅や介護保険施設に移すことが政策的に推奨されているが,超高齢社会においても病院が死亡場所として最も多い現状は大きく変わりないであろう.そこで,終末期ケアを病院の基本的なサービスとして位置づけ,提供できる体制を整備するべきであるが,医療者の関心は必ずしも高くなく,未だに末期がんに対する特殊なケアとして受け取られている傾向がある.
そこで,本特集はより広い次元で終末期ケアを取り上げ,8本の論文より構成した.まず筆者は巻頭論文で死亡に至る3つのパターンと,各々に対応した終末期ケアの課題を提示し,その中で病院は心臓,肺,肝臓等の臓器障害で入退院を繰り返しながら亡くなるパターンに対応し,それ以外のがんと認知症等の各パターンについて今後は介護保険施設や在宅で提供する終末期ケアの支援に転換するべきである点を強調した.
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