特集 技術革新と競争激化―特定保険医療材料の今後
巻頭言
池上 直己
1
1慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室
pp.633
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100987
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ステント,人工関節等の特定保険医療材料は医療費の中で最も増加が著しい分野であり,それだけ技術革新が激しいと言えよう.医薬品と比べて,改良のスピードが早いこと,国内メーカーのシェアが小さいこと,内外価格差が日米の政治課題となっていることがそれぞれ特徴として挙げられる.一方,病院にとっては,医療機能の選択と集中が迫られている状況下において,特定保険医療材料が使用される医療サービスを特化する必要があり,また将来的には同材料が包括評価の対象となる可能性も視野に入れて購入計画を見直す必要がある.
そこで本特集では,まず医療機器,医療材料の価格決定について,厚生労働省保険局医療課の佐方信夫氏よりそのメカニズムおよび内外価格差の課題について見解が示されている.次に,同医薬食品局審査管理課の俵木登美子氏より日本での承認・導入が遅れる「デバイスラグ」の問題について,その理由や今後の対応に解説がなされ,産官の協力により改善の方向性が示されている.
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