特集 病院の質評価の選択肢は広がるか
巻頭言
大道 久
pp.101
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102033
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病院において,あらためて医療の質管理の課題に対応することが求められている.優れた医療を提供することが病院人の使命であるという理念的な必要性からだけでなく,自らの病院の質的水準を具体的に明らかにして患者・住民に示してゆくことが,病院の存続と発展のために不可欠な状況となってきたからである.一部のメディアが少なからぬ病院にがんの5 年生存率を求めて公表したり,独自の調査も交えて医療の質に関する指標を示したりして病院をランキングすることなどの動きも目に付くようになってきた.
そこで,病院という組織が提供する医療の質を管理し,問題を解決・改善する手法の今日的手法について俯瞰しておく必要があろう.BSC(Balanced Score Card)やシックスシグマ,あるいはCRM(Customer Relationship Management)など,安全管理の手法も含めて,他産業における手法を医療に適用しようとする試みも少なくない.新奇をてらうことは必ずしも得策と思われないが,十年一日の経営手法では厳しい局面を打開できないことも事実であり,有効な手法は大いに検討する必要がある.
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