特集 NPMで公立病院は再生するか
巻頭言
大道 久
1
1日本大学医学部医療管理学
pp.193
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101398
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自治体病院の経営悪化が深刻化している.公営企業としての病院事業総数669のうち,赤字事業数割合は,2004年度が66%,2005年度69%と増加傾向にあったが,2006年度は79%と急速に悪化した.運営されている病院数は2006年度で968病院,地方公営企業法の繰出し基準に基づいて一般会計等から総額約7,000億円の繰入金が投入されているが,なお2,000億円の赤字で,これまでの累積赤字総額は1兆9,000億円に上るという.
自治体病院の特質は,強固な基盤に立った公務員組織が医療を提供するところにあり,住民からの一定の信頼を得る一方で,給与や人事の体系が硬直的で,環境に応じた柔軟な運用が困難であるために様々な問題を生じていると言える.今,改めて公立病院の経営のあり方が問われ,NPM(New Public Management)が提唱されている.そこで,NPMの概念とその意義,公立病院に適用された場合に期待される有効性などについて総論的に論じてもらうこととする.
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