特集 動き始めた新医師臨床研修制度
巻頭言
大道 久
pp.725
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102029
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新医師臨床研修制度が実施の段階に入った.先行きが危ぶまれた臨床研修の必修化も,昨年の秋にはほとんどのすべての臨床研修病院と研修医が参加してマッチングが行われ,95%以上の組み合わせが決定するなど終盤になってから急速に準備が進んだ.その結果,臨床研修病院で研修する研修医の割合が,従来の4分の1程度から,4割以上となったことなど,新たな臨床研修制度の趣旨に沿った結果が得られたということができる.
今回の臨床研修制度の改革は,医療の基本的なあり方に大きな変革をもたらすものと考えられるが,医師が養成され,診療活動を行う一連の経歴,すなわちキャリアパスが基本的に変わることが見込まれる.大学病院の医局講座に拠点を置いて関連病院に派遣をされることを繰り返しながら自らの居場所を定めてゆく,従来の医師の一般的な履歴は,今後はどのような流れに変わってゆくのか,新たな医師のキャリアパスを展望しておく必要があろう.
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