特集 外科医を支援する
巻頭言
池上 直己
1
1慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室
pp.713
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101522
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医師の不足は外科系において顕著であり,その1つの解決方法は手術室における業務を可能な限り関連職種に委譲し,業務の効率化と外科医の負担の軽減を図ることである.本特集では,業務範囲が資格で規定された中で,どのような対応が可能であるか,また併せて麻酔科医の不足に対する対応策についても展望した.
まず,田林晄一氏は外科医が成果を上げてきたにも拘らず,種々の構造的な要因により逃散が起きており,こうした状態を改善するために,臨床工学技士・看護師のより積極的な活用などを提言している.また,川渕孝一氏は打開策として「医行為」の範囲を適正に見直し,臨床工学技士の拡充と同時に,供給過剰の歯科医の有効活用についてケンタッキー大学の具体例を通じて提示している.さらに,遠藤玲奈氏らはアメリカにおけるPhysician Assistantを詳細に分析し,医師との分業は,一律の規定によってではなく,現場における双方の話合により行われていると報告している.
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