特集 外科医を支援する
外科医を支援する外科医がいなくなる!?―外科医の果たしてきた成果と外科医の逃散および再生
田林 晄一
1
1東北大学医学系研究科 心臓血管外科
キーワード:
外科医の労働生産性
,
国民と医療関係者の融合医療
,
チーム医療
,
無秩序な競争のない処遇改善
Keyword:
外科医の労働生産性
,
国民と医療関係者の融合医療
,
チーム医療
,
無秩序な競争のない処遇改善
pp.714-717
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101523
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わが国の医療環境は慢性疾患の増加,医療の高度先進化,医療費削減による病院経営の逼迫等により大きく変化してきている.これらの変化を患者側から見ると従来からの健康に対する要望に加え,インフォームドコンセントやカルテの開示要求,医療関係者への不信感,また疾病に対する考え方も生活の質(quality of life, QOL)の観点から考えることが加味されてきている.一方,医療関係者側では専門分化による臨床工学技士,言語聴覚士等の新しい職種の誕生,患者の権利主張の増加に伴う過重な負担と医療訴訟の増加,激務に対して低い待遇,高度先進医療機器への対応,また医療関係者のQOLの観点から考える人の増加等の種々の対応すべき課題が出てきている.いわゆる従来の医療行為の労働集約型から労働倹約型への変化に伴う医療の合理化に対する対応を考える必要がある.
これらの変化に対して特に外科,産婦人科,小児科および麻酔科の医師は十分な対応をしてこなかった経緯があり,このことが現在大きな問題となっている背景のように思われる.
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