カンファレンス 国立療養所西別府病院小児科第2病棟
歩行が困難のため反抗的態度をとる患児への心理的アプローチ
後藤 スミエ
pp.1070-1072
発行日 1974年11月1日
Published Date 1974/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917119
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はじめに
進行性筋ジストロフィー症(以下DMPと略)は,骨格筋や心筋が,萎縮,変性する病気である.特にドシャンヌ型においては,萎縮,変性は漸次進行し,発病約10年後には歩行困難となり,四肢の彎曲や拘縮を示し,栄養不良,呼吸器感染,心不全などにより10代後半に死亡する者が多い疾患である.現在のところ,原因が解明されておらず,また治療法も確立されていないので,これらの患児にどう対処すべきか,日常生活や教育の在り方をどうすべきかなどについては,非常に困難な面が多く問題となっている.
当院では,昭和39年にDMP病棟が設置され,現在,80名が入所している.私たちの第2病棟はこのうち40名を収容しており,院内には小学校・中学校・高等学校が設置され(大分県立石垣原養護学校),当院児童生徒に対して,ベッドサイド・ティーチングを行っている.病棟職員は,医師1名,看護婦16名,看護助手2名児童指導員,保母各1名で,毎日のカンファレンスは,合同で行い,時間はその日の業務によって一定しない.問題によっては,医師・学校教師も参加して,その日のリーダーの司会で行っている.
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