連載 続クロストーク医療裁判・4
複数の私的意見書の証拠評価―ポリープ摘出手術後死亡事件―最高裁平成18年11月14日判決の事例から
北村 ゆり
1
,
米村 滋人
2,3
,
清水 孝徳
4
,
落合 武徳
5
1さいたま地方裁判所
2東北大学大学院法学研究科
3仙台循環器病センター循環器科
4千葉大学医学部先端応用外科
5三愛記念そが病院 消化器病センター
pp.342-347
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101169
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本連載は65巻3号~66巻2月号に掲載した好評連載の続編である.裁判実務・法律・医療分野に携わる三者が,最高裁判決を事例に論点を解説し,多角的な見方を提供する.
続編の1~4回目では「鑑定書・医師の私的意見書(私的鑑定書)の評価」を取り上げている.第4回目の事案は,裁判所の選任した鑑定人による鑑定が行われておらず,患者側,病院側の双方から私的意見書が提出された事件についての最高裁の判決である.前回の事例と同様に,異なる内容の医学的意見について裁判所がどのように評価検討すべきかを示すものであるとともに,私的意見書の作成者同士の事実の捉え方の違いに関連して,裁判所の争点整理の在り方についての問題提起ともなっている.
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