連載 続クロストーク医療裁判・8
MRSA感染症に関する医療機関の法的責任―MRSA感染死亡事件―最高裁平成18年1月27日判決の事例から
小野寺 健太
1
,
米村 滋人
2,3
,
廣瀬 昌博
4
1前・さいたま地方裁判所
2東北大学大学院法学研究科
3仙台循環器病センター循環器科
4島根大学医学部附属病院 病院医学教育センター
pp.718-723
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101261
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本連載は65巻3号~66巻2号に掲載した好評連載の続編である.裁判実務・法律・医療分野に携わる三者が,最高裁判決を事例に論点を解説し,多角的な見方を提供する.
術後処置の問題に引き続いて,第8回目では院内感染の問題をテーマにする.院内感染に関し問題とされる過失類型は,「法理論的」には,1)起因菌の感染を防止すべき義務を怠ったこと,2)当該起因菌による感染症の発生を防止すべき義務を怠ったこと,3)当該起因菌による感染症が生じた後に適切な治療を行わなかったこと,などが想定される.今回は,そのような事例のうちMRSA感染に関する平成18年最高裁判決を採り上げる(なお,第3回で私的意見書に関する判例として紹介したのと同じ判決である).
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