特集 急性期入院はDPC適用になるのか
DPC開発の経緯と各国の比較,今後の診断群分類の展望
松田 晋哉
1
Shinya Matsuda
1
1産業医科大学医学部公衆衛生学
pp.638-642
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100861
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人口構造および疾病構造の変化と医療技術の進歩,そして国民の医療に対する要求水準の高まりによって増大し続ける医療費をいかに適正化するかは,先進国共通の課題である.しかしながら,支払い者,患者,サービス提供者間の種々の利害が複雑に関連する医療の領域において,万人の合意を得られるような改革を行うことは難しい.このような状況下で,関係者間で納得のいく合意形成がなされるためには,その根拠となる情報が不可欠である.そして,議論の焦点が医療の財政と質の両方にまたがる以上,そのような情報は経済的側面と医療技術的側面の二つを反映するものでなければならない.
アメリカで開発された診断群分類DRG(Diagnosis Related Group)は本来この情報標準化のためのツールであり,当初から支払いを目的として開発されたものではない.また,DRGの基本は診断名と行われた医療行為の組み合わせによって患者を分類していくことであるが,これはわが国独自の診断群分類であるDPC(Diagnosis Procedure Combination)においても同様であり,両者の考え方に基本的な差はない.
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