特集 急性期入院はDPC適用になるのか
DPC開始に当たっての経過と今後の拡大について
中村 健二
1
Kenji Nakamura
1
1厚生労働省保険局医療科企画官
pp.643-647
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100862
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
医療を取り巻く環境をみると,急速な少子高齢化,低迷する経済状況,医療技術の進歩,国民の意識の変化が,大きな動きとしてある.この変化に対応するためには,医療制度を構成する全てのシステムの転換が求められており,医療提供体制の改革,診療報酬体系の改革,医療保険制度の改革が必要となっている.
わが国の医療制度の課題については,医療提供体制をみると,病床数が多いこと,医療従事者が少ないこと,平均在院日数が長いこと,機能分化が進んでいないことから効率化,重点化の不足が指摘されている.また,医療情報について比較可能で客観的な情報が不足しているため,競争が働きにくい医療提供体制と指摘されている.さらに,医療安全,小児救急などの救急医療の確保など安心できる医療の確保や,IT化,標準化,医業経営の近代化など,情報基盤などの近代化が課題となっている.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.