連載 R&D ~第一人者に聞く~
抗CCR4抗体「モガムリズマブ」開発の経緯と今後の展望
上田 龍三
1
1名古屋大学大学院医学系研究科分子細胞免疫学 特任教授
pp.58-61
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.41.02_0058-0061
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私は1944年にソウル(京城府)で生まれました。終戦直後に引き揚げ、父が松山で開業したため高校まで松山で育ち、大学は名古屋大学医学部に進学しました。父自身がそうでしたが、当時の医師といえば住民の相談相手。誰からも信頼され、感謝されていました。その姿をみて私もおのずと医師を目指すようになりました。そして初期研修中、当時まだ治療法が確立されていなかった白血病患者さんを担当し、「白血病について研究してみたい」と第一内科(第三研究室)へ入局しました。そこで白血病の化学療法や移植の限界に触れ、「そもそもなぜ白血病になるのだろう」という疑問を抱き、米国スローン・ケタリングがん研究所 Lloyd J. Old研究室の門を叩きました。1976年のことです。
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