特集 医療におけるナレッジ・マネジメント
医療のナレッジ・マネジメント
梅本 勝博
1
Katsuhiro Umemoto
1
1北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科
pp.198-204
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100778
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■ナレッジ・マネジメントの背景
近年,日本の医療分野でもようやくナレッジ・マネジメントが注目され始めた.2002年5月には雑誌『臨床評価』が「ナレッジ・マネジメントと情報の共有化」という特集を組み,同年7月には雑誌『看護管理』が「看護管理のナレッジマネジメント 現場に活かす知とワザ」という特集を組んでいる.2003年には,筆者らが医療のナレッジ・マネジメントに関する日本で最初の単行書として『医療福祉のナレッジ・マネジメント』1) (日総研出版)を上梓した.
ナレッジ・マネジメントとは,経営資源としての知識の重要性に着目した最新の経営理論・実践であり,既存の知識を共有・活用しながら新しい知識を創り続ける「知識経営」を意味する.組織的な知識の創造・共有・活用によって価値を生み出すナレッジ・マネジメントは,一過性で流行のビジネス・コンセプトなどではなく,品質管理がそうであるように,社会の様々の分野に応用できる一種の社会技術であり,社会運動である.
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