特集 医療におけるナレッジ・マネジメント
病院の知とは
西村 昭男
1
Akio Nishimura
1
1医療法人社団カレスアライアンス
pp.205-209
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100779
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本稿では「知」の場としての「病院」に焦点を合わせるように求められている.広義には医療や臨床の知も包含するにしても,ここでは異なる枠組みとしてとらえる必要がある.そもそも「病院」という言葉は中国で造語され,日本でも江戸後期から使われ始めて今日に至って医療提供の場として広く認知されている.また,医療法では20人以上の入院施設を備えた施設で,診療所と区別されている.
しかし,現今では「病院」が担っている業務内容や利用者の求めも大きく変化し,多彩な機能への分化と高度化,多様な業務の拡大と効率化などに修飾されて,語源の「病院」が施設の一般表示名として居心地が良くない状況もある.事実,中国語へ翻訳された原語も,欧米では “health & medical center” などの呼称に入れ替えられる傾向にある.そこで,ナレッジ・マネジメントが評価・活用される場としては,「病院」という従来のくくりを広げた視野で経験と見解を述べる.
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