特集 看護管理のナレッジマネジメント―現場に活かす知とワザ
看護実践にある"ナレッジ"を"形"にする取り組み―リサーチナースの活動から
伊豆上 智子
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院看護部
pp.521-523
発行日 2002年7月10日
Published Date 2002/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901663
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はじめに
医療を取り巻く環境は変化し続けている。病院を訪れる人の健康問題も多様化しており,それを支える家族の有り様も実にさまざまである。医療はそれ自身の技術の向上に加えて,社会的変化の影響も受けやすい存在である。しかし,医療組織はさまざまな変化に揺らぐことなく,変化そのものに柔軟に対応しつつ,社会に期待される役割を遂行しなくてはならない。
変わり続ける医療提供システムのなかにあって,看護師は健康問題を抱える患者と家族の最も近くに位置してきた。特に入院看護においては,24時間365日さまざまな状態にある患者と家族を看続けてきた。日々繰り返される看護の実践場面を通して,さまざまな知識が実践に活用される知恵へと発展してきたように,看護の"ナレッジ"は"実践"を通してのみ生まれてきた。これまでの看護実践の発展はまさに"ナレッジマネジメント"のプロセスをとってきたと言えよう。
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