特集 医療におけるナレッジ・マネジメント
IT と病院のナレッジ・マネジメント
神野 正博
1
Masahiro Kanno
1
1特別医療法人財団董仙会恵寿総合病院
pp.210-216
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100780
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■医療の IT 化ということ
時代は構造改革が求められている.確かに,従来の経済成長は期待できず,しかも少子高齢化をはじめとして,人口減少,労働力人口の多様化,製造業の変身,価値観の多様化など PF ドラッカーのいう「異質な社会(ネクスト・ソサエティ)」1) が起こりつつあるからだ.医療の分野においても,社会からのニーズも医療消費者である患者の価値観も変わってきた以上,各病院は生き残りのための自助努力として構造改革を迫られているといえよう.
特に,国による医療費削減は医療機関の経営を逼迫し,強力なコスト削減努力を強いられる.これに対して,患者にとっては自己負担率が上昇することによってコスト意識が生まれ,価格上昇に見合った品質を求めてきているのである.すなわち,われわれは「低コストで高い品質」の提供を求められているのである.そのためには,業務の見直しとともに効率性を追求した運営が求められ,病院組織そのものの見直しを迫られているといってよいだろう.
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