連載 職場のメンタルヘルス・1【新連載】
新医療制度と経営者の悩み
武藤 清栄
1
,
村上 章子
1
1東京メンタルヘルス・アカデミー
pp.340-345
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100531
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近年,働く人たちのメンタルヘルスの不調が叫ばれている.その9割以上をうつ病,心身症,不安障害(神経症)が占めており,特にうつ病は働く人たちの5%にも及ぶのではないかと推測されている.ある健康保険組合のデータによると,3万人いる組合員のうち,3分の1近くが抗不安薬や抗うつ薬を処方されているという.また,自殺者数も1998年から毎年3万人以上になっている.これは交通事故で亡くなる数の5倍であり,自殺率ではアメリカの2倍,イギリスの3倍,いわゆる旧資本主義国家の中では日本が最悪な状態である.
今や,メンタルヘルスの問題は労働衛生上のトップ課題に位置づけられ,働く人たちだけでなく雇用する側も真剣に取り組む姿勢が見え始めている.そしてそれは,病院も例外ではない.
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