とびら
歴史から学ぶこと
古川 宏
1
1神戸大学医療技術短期大学部
pp.699
発行日 1988年11月15日
Published Date 1988/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104127
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われわれは歴史から学ぶことが数多くある.「歴史は繰り返す.」という如く,時代は違っても同じような事象は歴史の中に見つけ出すことができる.司馬遼太郎の小説にみるように戦国時代や幕末・明治時代の動乱期は小説の題材になりやすく,人々の姿は生き生きと描かれている.しかし,重要なのはその次の世代がいかに創設者の業を継いで組織的に安定させ,ゆるぎないものにするかにかかっている.徳川秀忠と家光が重要なのである.
リハビリテーションの世界を考えたとき,リハビリテーション関係者がすべて「日本のリハビリテーションの確立」の目標の下に協力して仕事を行い,そのうえ,経済高度成長期という「良き時代」から,経済不況,医療費の高騰,社会構造の変化に基づき医療全体が目まぐるしく変わる時代に入ってきた.この時代にしっかり今後の方向づけをすることはその時代に生きた世代の役割であろう.
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