The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 22, Issue 10
(October 1988)
Japanese
English
特集 家庭復帰に必要な条件
家庭復帰の受け皿として備えるべき条件―地域リハを担当するリハ医の立場から
Prerequisites for Discharge to the Home; A View of a Physician Who Works for Community Rehabilitation
伊藤 利之
1
Toshiyuki ITO
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター障害者更生相談所
1Counseling Office for The Handicapped, Yokohama Rehabilitation Center.
pp.654-658
発行日 1988年10月15日
Published Date 1988/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104113
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Ⅰ.初めに
高齢化社会を迎え,病気は寛解しても重度の障害を残してしまう障害者の問題はますます顕在化している.とりわけ,介助無しに外出することのできない重度障害者では,病院や施設におけるリハビリテーション(以下,リハと略す)の成果が生かされず,家庭復帰後は1日の大半を寝て過ごしているものも少なくない.長期にわたる入院・入所によるリハの実施は,自らベッドを離れ,日常生活ができるまでに回復するものにとっては有効だが,それができない障害レベルのものにはかえってマイナスである.彼らには,その生活の場において早い時期から環境を整備するとともに,老化や廃用症候群などによる機能低下を防止するために,継続した機能訓練や生活指導を行うことが重要であり,病院や施設におけるリハ・サービスに引き続き,在宅におけるリハ・サービスが求められている.
重度障害者の家庭復帰を実現するには,このような地域リハ・サービス,特に在宅リハ・サービスのシステムが必須の条件であり,その内容は単なるリハ医療にとどまらず,種々の福祉サービスを包含したトータルなサービスでなければならない.
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