連載 私のターニングポイント・第29回
つなぐ,つなげる,つながるための受け皿になるために
小谷 伊織
1
1よなご脳神経クリニック
pp.715
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202708
- 有料閲覧
- 文献概要
理学療法士人生を振り返るなかで私には3つのターニングポイントがありました.
1つ目は,研修会に参加した際,講師の先生が患者さんに対し治療デモンストレーションを行う場面を拝見したときのことです.車椅子で入室され介助歩行されていた患者さんが,1回の介入で見守りでの歩行が可能となっていました.なぜよくなったのかは当時の私には理解できませんでしたが,患者さんが笑顔になり,患者さん自身が自発的に動こうとされたこと,そして講師の先生が「歩けないから歩行練習」,「歩けないから歩行補助具」ではなく,「なぜ歩けないのか」の中身を患者さん自身と向き合っていた姿ははっきりとわかりました.この経験が私の学びの原点であり,自分の能力の限界が患者さんの限界とならないよう向き合い,向き合えるようになるために学び,成長し続けたいと思えたターニングポイントです.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.