プログレス
画像診断の進歩・1 X線CT
平松 慶博
1
1聖母病院放射線科
pp.323
発行日 1988年5月15日
Published Date 1988/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104025
- 有料閲覧
- 文献概要
1.画像診断におけるCTの役割
画像診断におけるCTの役割は,ここ数年間に大きく変化した.それはCT装置の機能向上によるよりも,むしろCT装置の価格の大幅な下降により,CTの普及率が大幅に上昇したことにほかならない.
例えば頭部外傷においては,かつてはまず頭部単純X線撮影を行い,さらに適応があればCTを撮影するという手順を踏んでいたが,最近では外傷における単純X線写真の適応は著明に減じ,外傷の際には最初からCTが撮影されることも多くなった.X線CTはX線を用いている以上,患者被曝は避けられず,したがってその適応はあくまでも厳しくすべきであるが,少なくとも頭部外傷においては,X線写真よりはCTのほうが得られる情報ははるかに多い.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.