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3次元CTをめぐる最近1年間の話題
CT画像の3次元表示は近年長足の進歩を遂げた.この進歩はヘリカルCT,引き続いて多検出器列CTの進歩により,短時間に広範囲のCT画像を薄いスライスで撮像できるようになったことと,コンピュータグラフィックス技術,主に3次元表示ソフトウエアの改良に基づくところが大きい.
良好な3次元CT画像を得るためには,目的とする範囲をできるだけ薄いスライスで,しかも呼吸の位相による位置ずれ(misregistration)なしに撮影する必要がある.ヘリカルCTの導入によりmisregistrationなしの連続した断面の画像が得られるようになった.しかし,胸部を含む?幹部のイメージングでは,1回の呼吸停止時間に制限があるために,広い範囲を撮影しようとすればスライスの厚みを厚くする必要があり,画質の劣化やアーチファクトの原因となる.また,アーチファクトの少ない良好な画質を得ようとすれば,カバーできる範囲が狭いというpenaltyがあり,画質と撮像範囲はtrad offの関係にある.最近の多検出器列CT(multislice CT, multidetectorrow CT, MSCT, MDCT)を用いれば,従来のsingle detector helical CTに比べて画質の向上と実質的な時間分解能の向上が得られ,3次元表示に最も適している.検出器列は同時4層の撮影が可能な4列検出器の装置が標準となってきているが,2列から8列のものまでが市販されている.すでに16列検出器を装備したMDCTが本年度中には発売される予定で,最終的には1回の管球の回転で全断面のスライスが得られるコーンビームCTへと発展していくものと思われる.なお,1回の管球の回転に要する時間も現在では0.5秒以下となっており,half reconstructionのアルゴリズムを用いれば時間分解能は0.2秒から0.25秒程度になりつつある.
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