プログレス
脳の画像診断の進歩(1)
山田 英夫
1
1東京都老人医療センター核医学放射線部
pp.551
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103617
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1.はじめに
第三世代の装置が登場しX線CT検査が臨床診断に本格的に用いられるようになって約10年,この間に放射線診断学は著しい進歩を遂げた.今日では核医学(ラジオアイソトープ検査),X線CT検査,MRI(磁気共鳴画像法)に超音波検査を加えた4種の検査を総合して画像診断と呼ぶようになり,臨床検査の中に確固たる地位をしめるに至った.ここでは脳の画像診断を中心として前三者について解説する.
従来のRI検査は,形態学的診断においてはX線CT検査に一歩譲るとしても,生理的機能の検査としては極めて優れており,形態と機能を加味した局所生理的機能の測定などユニークな検査法であった.しかし最近になって漸く本格的に利用され始めたPETや新しく登場したMRIは,更に局所のin vivo生化学検査法として新しい分野を開拓しようとしている.画像診断法は今や形態から生理機能,生化学に亘るすべての情報を,必要とする時に必要な場所(area of interest)から得ることが出来るように成りつつある.
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