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講座
運動学習・3 スポーツにおける運動技能と効率
Motor Learning. 3: Motor Skill and Mechanical Efficiency in Sports
山本 恵三
1
Keizo YAMAMOTO
1
1東京都立医療技術短期大学
1Tokyo Metropolitan College of Allied Medical Sciences.
pp.191-195
発行日 1988年3月15日
Published Date 1988/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103992
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Ⅰ.初めに
「運動技能(motor skill)」を,Singer1)は“一つの要求された活動をうまく遂行するために必要な筋肉運動,あるいは身体動作である”と述べている.このことは,スポーツ競技についても同様であり,優れた運動成果(performance―例えば勝・敗の「勝」のこと.)を得るという目的のために.選手は自分で実施しているスポーツ競技においてもっとも必要な,あるいは要求される筋肉運動,もしくは身体動作を行っている.したがって,優れた「運動技能(スキル)」を示すのは,各スポーツ競技において成績の優秀な選手の中に見いだされるであろう.
しかしながら,この「スキル」を評価することはたいへん困難なことである.Johnson2)は,「スキル」を評価するのに,スキル=(スピード)×(正確性)×(フォーム)×(適応力)なる式を表している.さらに,「スキル」を改善するためにはまず良い「フォーム」を作ることでもあるとも述べている.このことは,“フォーム”が改善されることにより,運動によって消費されたエネルギー量を減少させ,“運動成果”が向上することを示している.このことは,エネルギーの入出力からみた“スキル”と考えられる.また,このエネルギーの入出力は,身体運動の効率として捉えることができる.
ここでは,スポーツ競技での身体運動におけるスキルを,エネルギーの入力と出力との関連から検討してみた.
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