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講座
生理機能計測 5.サーモグラフィー
Measurement of Physical Function. 5. Thermography
辻田 純三
1
Junzo TSUJITA
1
1兵庫医科大学第一生理学教室
1The First Department of Physiology, Hyogo College of Medicine, Medical School.
pp.753-758
発行日 1987年11月15日
Published Date 1987/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103904
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Ⅰ.初めに
サーモグラフィーとは,物体表面の温度分布を図示する方法であり,医学の分野では診断や治療効果の判定,健康管理など広範囲にわたり利用されている.
臨床への応用として実際に使用され始めたのは1956年米国のバーンズ社が赤外線カメラを作製し,Lawsonが乳癌の皮膚温が高温になるのを発表したのが最初である1).
サーモグラフィーによって得られる皮膚温分布は皮膚血流量を反映するものであるから,何らかの循環障害があれば,それに関係した部位の皮膚温変化として捉えることができるわけである.各種疾患に対して,それに対応する皮膚部に循環障害が生じたときには,その位置関係を精査することにより診断の資料を得ることができるし,さまざまな薬物や治療の効果による血行動態の変化が,対応する皮膚に現れるときには治療効果の判定資料を得ることもできる.Barnes2)の報告以来実用化され,その後多数の臨床報告がなされている.
また,ここ数年のコンピューターの導入によりさまざまな解析システムのソフトが開発され,その応用例も広範に及ぶようになってきた.
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