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サーモグラフィー
Thermography
新井 雅信
1
,
加瀬 正夫
1
Masanobu ARAI
1
,
Masao KASE
1
1関東逓信病院神経内科
1Department of Neurology, Kanto Teishin Hospital
キーワード:
Thermography
,
Cerebral blood flow
,
Migrain
Keyword:
Thermography
,
Cerebral blood flow
,
Migrain
pp.533-537
発行日 1978年6月10日
Published Date 1978/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436200821
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Ⅰ.緒言
サーモグラフィーは,皮膚温の上昇ないし低下をとらえて,その原因である皮膚表在組織の血流状態の変化を表現する検査法として,近年盛んに行なわれるようになった.簡便で熟練した技術を要さず,しかも少しも被検者に苦痛や副作用を与えないし,繰返し検査できることは,サーモグラフィーの最も優れた点である.以下に述べる疾患の検査として,特にスクリーニング・テストとして応用範囲が広い.すなわち,閉塞性血栓性動脈炎をはじめとする末梢動脈疾患,進行性全身性強皮症や全身性紅斑性狼瘡(SLE)などの膠原病,糖尿病性末梢神経炎やSMONなどの末梢神経障害といった正常より皮膚温の低下するものや,乳癌,甲状腺腫瘍,血管腫,ある種の皮膚癌などの皮膚や表在性の腫瘍,静脈炎のような正常より皮膚温の上昇するものに加え,移植腎の機能の評価にも応用されている.
神経疾患のうちサーモグラフィーの検査対象となる疾患は,主として頭蓋外脳血管閉塞であり,脳血管撮影の適応を決定するスクリーニング・テストとしての価値を高く評価されている.また,片頭痛患者において患側前額部の皮膚温異常が指摘されており,我々も若干の知見を得ている.これらを中心に,神経疾患診断におけるサーモグラフィーの意義について述べる.
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