グラフ 乳房診断【最終回】
Ⅵ.サーモグラフィー(コンタクトサーモグラフィー)
冨永 健
1
Takeshi Tominaga
1
1都立駒込病院外科
pp.500-502
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207796
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乳癌病巣は代謝の亢進,血流量の増加により高温を呈し,乳房表面へ伝播した熱的所見をサーモグラフィー装置で検出することにより,乳癌の8割以上のひろいあげが可能である。サーモグラフィーには非接触型の赤外線サーモグラフィーと温度に応じて色調が変化する液晶を利用した接触型サーモグラフィーがあるが,後者は取り扱いが簡便で外来での使用も可能である。乳癌の一部には高温を示さないものがあり,また良性疾患にも所見が認められるものもあるが,疑陽性所見には冷風送風による寒冷負荷試験(dynamic test)が有効である。放射線を用いない安全な補助診断法として手軽に利用できる。
(症例提供 慶大外科,足利日赤外科 コンタクトサーモグラフィー装置"テルマンマ")
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