クリニカル・ヒント
進行性筋ジストロフィー症(PMD)のROM測定とROM訓練
野々垣 嘉男
1
1名古屋市立大学医学部付属病院リハビリテーション部
pp.45-47
発行日 1987年1月15日
Published Date 1987/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103715
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はじめに
進行性筋ジストロフィー症(progressive muscular dystrophy,以下PMDと云う)は代表的な筋肉疾患で,常に筋力低下が進行し種々の運動障害を起こす.PMDの85%を占めるデュシャンヌ型(Duchenme type)は3~5歳までに発症し,ほぼ一様の経過を辿り1),20歳前後にはその生涯を終る.
1964年,国の施策によって国立療義所にPMDの専門病床が開設され,これらの施設を中心として発展して来た.近年,PMDが早期に確定診断されるようになり,早期より適切なホーム・リハビリの実施が必要となっている.従ってPMDの過程による運動機能や障害度の程度を的確に把握することによって,PT・OTが遂行されなければならない.
PMDのリハビリテーションを実際に行う時の基本的方針2)は,(1)合併症の予防と改善,(2)現在の筋力維持・増強,(3)現存のADL能力の最大限に発揮させることにある.
そこでPMDデュシャンヌ型(歩行期)を実際に取り扱う時に,最も基本となるROM測定,訓練の実際と留意点について述べる.
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