The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 22, Issue 2
(February 1988)
Japanese
English
特集 業務独占
核と境界線―名称独占と業務独占を巡って
Monopolization of Professional Practice: The Nucleus and the Borderline
砂原 茂一
1
Shigeichi SUNAHARA
1
1国立療養所東京病院
1Tokyo National Chest Hospital.
pp.80-84
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103963
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Ⅰ.いとぐち一臨床工学技士の場合
まず図1を見られたい.これは介護福祉士などとともに今回公的に制度化された臨床工学技士の資格取得の仕組みである.何と複雑でわかりにくいことか.本筋は三年制の指定養成所か四年制の指定大学課程を終えて国家試験を受けるルートであるが,そのほかに他種類の医療職種,あるいは大学工学部,医学部卒業者(医師になってから臨床工学技士になろうとするものなどいるとは思われないが医師国家試験に合格しなかった人を予定しているのであろうか)が1~2年の短縮コースを経て同じように臨床工学技士を目指す道も残されているのである.
行政当局の腹をかんぐると,PT,OTの場合と同じに高校卒三年間のルート一本で貫きたかったのであろうが,本来診療補助行為と言われるもの(理学療法・作業療法もこれに入るとされている)は看護婦のみに許されるというのが日本の今日の法律上の建前となっているから(そして現実にICUでの仕事や透析の実務を多くの場合看護婦が行っているので)これを無視することができないので,短縮コースなるものを設けざるをえなかったというのが実情であろう.実際看護婦が医療補助業務の総本山であって,保助看法(保健婦・助産婦・看護婦法)では看護婦以外は診療補助業務を行ってはならないことになっているのである.
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