特集 理学療法と作業療法20年の歩み
<随想>
私の歩み―脳性麻痺児と共に20年
渡辺 敏弘
1
1愛媛整肢療護園
pp.33
発行日 1986年1月15日
Published Date 1986/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103484
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昭和37年4月,愛媛整肢療護園に就職してから,早いもので今年4月には在職24年になろうとしている.
当時,当園入園CP児は在園児の約20%を占るにすぎず,そのほとんどの者は歩行していた.歩容は決して良いものとは言いがたく,沢山の拘縮・変形を持ち合せてはいたが…….その中にあって,今も私の脳裏から離れない患児がいた.その患児は特有な呼吸パターンを呈しており,痰の喀出をするのに自分の指を喉の奥深く挿入し刺激を加えて行っていた.そのありさまを見ると胸をしめつけられた.だがその思いこそが今日の治療に強く影響を及ぼしていると思う.
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