特集 理学療法と作業療法20年の歩み
<随想>
私の歩み
今井 章夫
1
1国立金沢病院
pp.28
発行日 1986年1月15日
Published Date 1986/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103479
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本誌創刊20周年を迎えられたとのこと私はこれまで一読者にすぎなかったが,はからずも,本誌に寄稿する機会を与えられたのを機に「私の歩み」を振り返り今後の励みとなれば幸いと筆をとってみた.
日本三大名園の一つ「兼六園」に隣接した国立金沢病院に就職したのは丁度整形外科が開局された34年4月であった.当初はスタッフや設備不足でもあり,助け合いながら一丸となって診療に精を出していた.若さと好奇心も手伝ってよく医師の助手をしながら見学や臨床講義を聞くことのできた一時期が,私の足もとを固めるためには恵まれた環境であった.やっと病院の中にうちとけられるようになった頃,降って湧いたようにリハビリテーションという言葉がとびだし,更に難しい理学療法士の国家試験があるということで,当惑し重苦しい日々が続いた.しかし軟式テニスが盛んな頃でかえってそれに夢中になってしまい汗したときを思い出す.不勉強ではあったができる限り臨床の場で試験に役立つように心がけたことが,幸運にも理学療法士資格の取得に結びつき,その時の喜びは今も忘れることはできない.欲をいうようであるが,作業療法士の受験資格を得ていながら挑戦しなかったことはいささか残念であるが,石川県に初めて柔道整復師学校が創立されたその第一期生(夜間)として免許取得したことが業務の一助にもなっている.
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