Japanese
English
特集 PT・OTの医療経済における効率的側面
わが国の国民医療費の推移と展望
General Trend and Over-all View on Our National Medical Expenditure
関山 昌人
1
Masahito SEKIYAMA
1
1厚生省保険局医療課
1Medical Economics Division, Health Insurance Bureau, Ministry of Health and Welfare.
pp.813-819
発行日 1985年12月15日
Published Date 1985/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103452
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
我が国の経済社会環境は,人口構造の高齢化,長男長女時代の核家族化,サービス化社会への移行による就業構造の変化,平均寿命延長等による生涯自由時代の増大,価値観の多様化等めまぐるしく変わりつつあり,「人生80年時代」の高齢化社会を迎える成熟化過程にある.このような到来する高齢化社会に対して,充実した社会保障制度を完備しておくことはいうまでもないが,先進諸国を含めて見わたしてみると,石油ショック以降スタグフレーションが進行し,政府は財政赤字を抱える財政基盤の弱い状態に陥っており,歳出規模の抑制が当面の問題となっている.このままの状態で進んだ場合,高齢化社会の下では,租税,社会保障の負担が重くなることが予想され,ひいては国家の活力の低下をもたらすこととなる(表1).このような状況を避けるためにも,社会保障支出の効率化,制度の合理化等が必要となり,一方,新しい時代に対応した仕組みが必要となってくる.ここでは,医療費の動向を中心にして,その推移と今後の展望について,私見を混じえて述べてみたいと思う.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.