プログレス
介助用ロボットの可能性と限界
中野 栄二
1
1工業技術院機械技術研究所ロボティクス部
pp.777
発行日 1985年11月15日
Published Date 1985/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103442
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介助用ロボットには現在のところ二つのタイプのものが試験的に開発されている.一つは,介護者が患者を抱き上げたり,運んだりするときに生じる腰痛などの過重労働を軽減するための「抱き上げ介助ロボット」である.そのプロトタイブは,1981年に筆者らにより世界に先がけて開発された.もう一つは,寝たきり患者の身の回りの世話の一部,たとえば,薬やジュースをストッカから患者のそばまで運ぶ動作などをロボットアームや運搬ロボットを用いて行ういわゆる「日常生活介助ロボット」であり,東大の舟久保教授らにより,やはり世界に先がけて開発された.
しかし,介助用ロボットということばの意味するところはこれら二例よりはるかに広く,さまざまな技術開発の可能性が考えられる.さらに,医療福祉用ロボット,あるいは看護用ロボットということばのもつ概念はもっと広い.
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