本の紹介
「膝・足関節・足部の新しい神経―運動器協調訓練―proprioceptive exercise の実際」―Claude HERVEOU・Laurent MESSEAN著,井原秀俊・中山彰一訳
藤林 英樹
1
1兵庫県立加古川病院
pp.753
発行日 1985年11月15日
Published Date 1985/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103436
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従来,骨・関節の外傷や疾患の理学療法としては,関節可動域や筋力の訓練に加えて物理療法を併用することが多い.しかし,本書を一読するとはっとさせられ,一つの新しい治療手技を教授させられた思いである.この書の強調するproprioceptive exercise(神経―運動器協調訓練)は,日頃多少なりとも治療の中に含んで行っているのも事実であるが,このようにその必要性を論理的に解説し,骨や関節の解剖学や運動学に偏ることなく,統合的治療として神経―筋反射のコントロールの重要性を説き,具体的処方箋を体系的に示しているのは本書が初めてであろう.
日常動作やスポーツの中で,捻挫のような受傷機転は筋や関節の機能低下というよりも,それをコントロールしている神経―運動器の反射機能の低下にあることを切切と説き,我々の現治療法に鋭いメスを加えている.
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