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特集 障害者ドライビング
身体障害者用自動車の改良
Improvement of the Automobile for the Disabled Drivers
土嶋 政宏
1
Masahiro TSUCHIJIMA
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
1Kanagawa Rehabilitation Center.
pp.369-376
発行日 1985年6月15日
Published Date 1985/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103337
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Ⅰ.はじめに
身体障害者にとって自動車は,自宅と目的地をdoor to doorで繋ぐ交通機関であり,公共の交通機関が使用困難な場合に最大の遠距離移動手段ともなっている.特に,通勤・通学・通院からレジャーや旅行など積極的社会参加のための日常移動機器として必要不可欠なものとなっている.
これまでの自動車運転免許を取得している障害者数は全国で約14万人以上(昭和58年調べ)にもおよび,身体障害者(以下,身障者とする.)の近年における自動車運転免許取得状況を調べると,全国の自動車運転免許取得者総数に占める割合が年々増加してきている(昭和50年で1.57%,昭和55年で2.52%,昭和58年で2.93%).
当リハビリ・センターにおける身障者自動車運転に関する対応も多種多様の疾患者にまで及んできており,自動車運転免許取得の目的で訓練を必要とする障害者数も毎年増加の傾向にある.それだけに,障害者の自動車運転に対する関心も高く,運転免許取得における相談,車の購入や改良相談から実際の車椅子と自動車間の移乗動作および運転操作,ハンドル旋回装置の製作などまでの業務を行っている.そして,最近では身障者の自動車運転に対する要求がこれまで不可能であるとされていた重度な障害を有するレベル者にまで高まってきており,障害者個々の障害状態や残存機能によって,特殊な自動車改良を必要としてきている.
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